グロースハックとは?
グロースハックの意味は、「市場やユーザーの声を収集・分析し、それに合わせた商品の開発を行い、早く成長できる仕組みをマーケティングに組み込むこと」です。
グロースハックは、英語の「Growth Hack」からカタカナ語になった言葉。「Growth Hack」の「Growth」は「成長、発展」、「Hack」は「巧妙に改造する、物事をうまくやるためのこつ」の意味で使われています。
グロースハックの意味・定義
グロースハックは、まだ定義が定まっていない比較的新しい言葉です。そのため、次のように異なる表現で意味づけされる場合があります。
どちらの定義でも、商品やサービスの売上を持続的に、しかも素早く成長させるというグロースハックの本質的な部分に違いはありません。
グロースハックの特徴
グロースハックでは、市場やユーザーの声が重要です。市場やユーザーの声を収集・分析し、そのデータをもとに開発を行います。
市場やユーザーの声は移り変わりが早いため、商品の開発をはじめた時点で把握していたニーズが、途中で変わってしまっていることはよくあります。ニーズが変化した場合は、それに合わせて設計を柔軟に変更していきます。そのため、グロースハックを行うには、市場やユーザーの声を効率的に収集・分析する仕組みが必要です。
また、グロースハックは実験的アプローチで行う手法です。最新のデータをもとにすぐやることを決めてやってみて、その結果を素早く検証し、改善してまたやってみるトライ&エラーを何度も何度も繰り返します。市場やユーザーのニーズと、自社商品の成長具合、確保できる経営資源を照らし合わせて、最も効率的に売上を伸ばせる方法を考えてください。
マーケティングにユーザーの力を借りる
マーケティングでユーザーやメディアの力を積極的に活用することも、グロースハックの特徴です。
次のようなマーケティング戦略がとられることが多いです。
・既存のユーザーが自分の友達に商品やサービスを紹介したくなるシステムを作る
・ユーザーにSNSシェアや口コミ投稿をしてもらえるシステムを作る
とくにSNSを使った手法は、広告にかかる費用を抑えながら、トライ&エラーしやすいことで注目されています。
グロースハックと従来のマーケティングの違い
従来のマーケティングでは、マーケティング担当者は基本的にマーケティングのことのみに目を向けます。商品やサービスが完成してから、どのように消費者に売り込むかを考えるのが従来のマーケティングのやり方です。
グロースハックは、開発からマーケティングまですべてをひっくるめて考えていき、製品設計部門、マーケティング部門など、部門間の垣根を越えて実施します。商品やサービスを開発の段階から、市場やユーザーに合わせていくのもグロースハックの特徴です。
グロースハックとAARRR
AARRRは、グロースハックでよく使われるフレームワークです。
次の5段階に分かれており、上から順に取り組んでいくことでグロースハックにつなげられるといわれています。
Activation(ユーザー活性化):新規ユーザーの早期離脱を防ぎ、継続利用を促す対策を行う
Retention(継続):ユーザーの継続利用を促す対策と、休眠ユーザーの利用再開を促す対策を行う
Referral(紹介):継続利用ユーザーに友人を紹介してもらうための対策や、SNSでのシェアなど外のネットワークへの紹介を促す対策を行う
Revenue(収益化):継続利用ユーザーの利用から利益を得られる仕組みを考える
この5段階の頭文字をとって「AARRR」と名称がつけられました。
AARRRを利用することで、それぞれの段階でするべきことがはっきりするため、グロースハックの計画を立てやすくなります。
グロースハックを学びたい人におすすめ「グロースハック完全読本」
「グロースハック完全読本」は、「伝説のグロースハッカー」の異名を持つショーン・エリス氏が、モーガン・ブラウン氏と共同で著したビジネス本です。
ショーン氏はグロースハックの生みの親。自ら編み出したグロースハックの手法で、Dropbox社を業界TOPの大企業に急成長させたことなど、多くの偉業を成し遂げたことで知られています。モーガン氏は、Facebookのプロダクトマネジャーとして勤めた経験を持つ、優秀なグロースハッカーです。
「グロースハック完全読本」は、凄腕のグロースハッカーである2人が数々の企業で実践して体系化させたグロースハックの手法を解説しています。基本事項から実践的な事柄まで、わかりやすく説明されています。
有名企業の事例を、グロースハックのイメージをつかみやすいリアルな内容で、多数紹介されていることもおすすめのポイントです。
グロースハックの使い方・例文
グロースハックの意味がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。
・Amazonでグロースハックについて学べる本を探す。
・グロースハック術を紹介する。
・グロースハック向けの分析ツールを提供する。
グロースハックの類語・言い換え表現
グロースハックの類語は、「グロースハッキング」「グロースハックマーケティング」です。この2つのカタカナ語はグロースハックと同じ意味なので、言い換え語として同じ感覚で使えます。
・グロースハックマーケティングに関する勉強会に参加する。
グロースハックは英語だと?
冒頭でも簡単に紹介しましたが、グロースハックは英語だと「Growth Hack」と表記します。
意味はカタカナ語のグロースハックと同じなので、あわせて覚えておきましょう。
グロースハックについて勉強してみよう
グロースハックの意味は、「市場やユーザーの声を収集・分析し、それに合わせた商品の開発を行い、早く成長できる仕組みをマーケティングに組み込むこと」。
商品やサービスから早く収益を得られるようにするための手法として、近年注目されています。興味のある人は、紹介したビジネス本などを参考に、よりくわしく勉強してみてください。