デリバティブの意味や種類は?仮想通貨でのデリバティブや会計処理もわかりやすく解説

デリバティブとは株や債券などから派生した金融商品

「デリバティブ」とは、本来は「派生的な」「新しさが欠けた」といった意味をもつ言葉ですが、日本語として使われる場合は、「株や債権などから派生した金融商品」を指します。

インターネットなどで個人でも手軽に金融商品の取引ができるようになった現代において、耳にする機会も増えました。

金融商品の売買は、大きな利益を得るチャンスも多くありますが、原資を大きく上回る損失を出す可能性もあります。そのため、十分な知識を得ることはとても重要になります。

デリバティブの仕組みや取引の詳細を勉強する前に、まずは言葉や意味について完璧に理解しておきたいもの。本記事では、もとになっている英語の意味や使い方をはじめ、日本語としての意味や関連語などもわかりやすく解説します。

デリバティブの英語は「derivative」

デリバティブは、英語で「derivative」と表記し、次の意味をもつ単語として使われています。

・派生的な
・派生物
・派生語
・独創性のない
・(本源から)引き出した
・新しさが欠けた

「派生」とは、もとになるある物や事柄から枝分かれして生じることをいいます。英熟語としてはこのようなものがあります。

・derivative instrument(派生商品)
・derivative financial instrument(金融派生商品)
・derivative income(派生的所得)

日本における「デリバティブ」の意味

「デリバティブ」のもとになっている英語では、「派生」の意味で使われることが多いですが、日本語の中では主に「金融派生商品」を指しており、それらの取引を「デリバティブ取引」といいます。

デリバティブ取引とは?

株、債権、為替などの金融商品は、投資が成功すれば大きなプラスとなりますが、損失がでる場合もあります。その損失が大きくならないよう回避することを目的とした取引が「デリバティブ取引」です。しかし実際には、利益を得るのを目的としての取引も多いです。

デリバティブ取引の種類

デリバティブ取引は、大きく分類して「先物取引」「オプション取引」「スワップ取引」の3種類があります。普段金融商品にたずさわることのない人にとっては少し難しいと思いますが、それぞれの取引について簡単に解説しておきます。

「先物取引」とは?

「先」の「物」、つまり、現在の商品ではなく、将来の商品の売買を約束する取引を「先物取引」といいます。

たとえば、1日に取引価格や数量を決定したとします。しかし、実際の取引は、約束をした先の日付である10日に行われます。そのため、10日の市場価格が1日より高くなっていたとしても、1日に約束をした価格で購入できるというわけです。

「オプション取引」とは?

車を購入する際、欲しい機能や物を追加できる「オプション商品」があります。「オプション取引」も同じようなシステムで、売買の約束をした日に、実際に売買するかは自分で選べる取引をいいます。

「オプション取引」では、金融商品を売買できる「権利」を売買します。たとえば、現時点で、半年後に1000円の株を買う権利を購入するとします。そして半年後、権利を購入した株の価格によって、権利を行使する(使う)かどうかを決めればいいという仕組みです。

「スワップ取引」とは?

「スワップ」とは、同じ価値のあるもの同士の「交換」を意味する言葉です。同じ通貨同士で異なるお金の流れをする金利同士を交換することを「金利スワップ」、異なる通貨での利息などを交換する取引を「通貨スワップ」といいます。また、通貨スワップの一種で、元本を交換せずに金利のみの交換を行う「クーポンスワップ」という取引もあります。

仮想通貨におけるデリバティブとは?

仮想通貨とは、電子データだけでやりとりをする通貨で、主にインターネット取引などで使用されています。

仮想通貨のデリバティブ取引は、前述した「先物」「オプション」「スワップ」と同じような仕組みで仮想通貨の売買を行います

ただし、すべての市場で取引が行われているわけではなく、伝統のある取引所や、認可済の仮想通貨取引所でのみ実施されています。

デリバティブの会計処理

他の金融商品と同じく、デリバティブも期末で時価評価をし、差額を損益計上させます。ただし、ヘッジ*会計が可能な取引についてはヘッジ会計処理を適用させることができます。(ヘッジ*:回避)

たとえば、株の売買をする際に、リスクを回避するために信用取引の売買した場合、ヘッジの対象となるのは株、ヘッジの手段となるのは信用取引となります。株で損失がでるところ、信用取引で利益を発生させていれば、全体の損失を減額させられます。
ヘッジ会計が適用されるか否かは、ヘッジ対象商品のヘッジ手段として正しい取引がされていることが条件となります。

デリバティブの関連語

デリバティブには、前述したもののほかにもいろいろな種類があります。実際に金融商品を取り扱う人にとっては難しく、目にすることもないかもしれませんが、参考のために少し紹介しておきます。

不動産デリバティブ

不動産を所有していても、運用できていなければ資産価値も下がり、損失も増えるばかりです。この状況を回避するために行えるのが「不動産デリバティブ」です。

原資産となる不動産と反対の動きをする先物、オプション、スワップ取引と、現物の取引をセットで行うことで、リスクヘッジができるという特徴があります。

デリバティブ預金

デリバティブ預金は「仕組預金」とも呼ばれており、金融機関に預けられた顧客のお金を、金融機関が取引として運用し、利益を得るといった仕組みです。利益がでれば、通常の定期預金より高い金利が得られますが、状況によっては元本割れをする可能性もあるのが特徴です。

デリバティブを完璧に理解して金融商品を扱おう

今は、証券会社を訪れなくても、個人でインターネットを通じて株や仮想通貨の取引などが手軽に行えるようになっています。少額の投資で大きな利益を得られる可能性もありますが、失敗をすれば損失も大きくなります

お金を増やしたいという理由で投資をするのは間違いではありませんが、損失を大きくしないためにも、金融商品そのものや、デリバティブの仕組みを完璧に理解してから挑戦していくようにしてください。