コンセプトとはどんな意味?コンセプトアートやコンセプトカフェって?例文や類語、英語も解説

コンセプトとはどんな言葉?

コンセプトの意味は「概念」です。

コンセプトの類語には、「アイデア」「イメージ」「ポリシー」「プロット」「テーマ」があります。しかし、コンセプトと似ていても意味に違いがあるため、言い換えには使えません。

コンセプトの英語は「concept」です。

コンセプトについて、くわしくみていきましょう。

コンセプトの意味は「ぶれずに貫き通される基本的な考え方」

冒頭でも軽く紹介しましたが、コンセプトの意味は「概念」です。

しかし、実際に使われるときには、「全体を通して一貫した、基本的な構想のこと」を意味する場合がほとんど。

意図を持って何かを作り出すときに定められる、工程の最初から最後まで、あらゆる部分でぶれずに貫き通される、ベースになる考え方がコンセプトです。

コンセプトは企画で使う言葉

コンセプトは、新しく何かを企画するときによく使われる言葉です。ビジネスでは、次のようなものを企画するときに使用されています。

・事業
・店舗
・サービス
・広告
・ブランド
・イベント
・商品
・メニュー
・建築 など

上記で挙げたような、新しく作り出す「実体」があるものに対して、コンセプトと「いつ」「どこで」「何を」「なぜ」「誰に」「どのように」といった、基本になる中身を考えていきます。

同じものを作る場合でも、コンセプトが違うと出来上がるものが変わるので、簡単にみてみましょう。

例えば、惣菜屋さんを新しく企画するとします。

コンセプト:高齢者世帯の台所代わりになる総菜屋さん
いつ→高齢者が出歩きやすい日中に営業
どこで→高齢者世帯が多い地域
何を→塩分を控えた和惣菜など健康に配慮したもの
なぜ→自分で調理するのが大変。調理しても食べきれずに余ってしまってもったいない
誰に→夫婦2人暮らしや、ひとり暮らしの高齢者に
どのように→少量の単位で販売。配達も可能
コンセプト:ひとり暮らしの若者向けの総菜屋さん
いつ→仕事帰りなどに購入できるように夜遅くまで営業
どこで→若者が多く利用する駅の近く
何を→若者が好む味付けのお惣菜や、おふくろの味を再現したお惣菜
なぜ→自炊が苦手。忙しくて自炊が大変
誰に→ひとり暮らしの若者に
どのように→少量の単位で販売
コンセプト:子育て世代の親を助けるファミリー向けの総菜屋さん
いつ→日中から夕方にかけて。夕方が書き入れ時
どこで→子育て世帯が多い地域
何を→好き嫌いがあっても食べられる工夫をしたお惣菜。栄養バランスを考えたお惣菜
なぜ→子育て世代の親は忙しい。一品増やしたいときや、ご飯の支度で楽をしたいときがあるため
誰に→子育て世代のファミリーに
どのように→家族の人数に合わせて量を選べる量り売りで販売

高齢者向けの総菜屋さんを、高齢者世帯が少ない地域に作っても需要はないですよね。コンセプトと企画の内容は矛盾がないようにすることが大切です。

コンセプトの英語は「concept」

コンセプトは、「concept」という英単語からカタカナ語になった言葉です。

concept
・構想
・コンセプト
・考え
・理解
・把握
・概念
・発想

「concept」は、カタカナ語のコンセプトと同じニュアンスで使えます

コンセプトの使い方を例文で学ぼう!

コンセプトの意味がわかったら、コンセプトという言葉の使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
・ママのための映画館をコンセプトに新しい施設を作る
・未来の学校をコンセプトにした体験イベントを企画する
・深海をコンセプトとしたホテルを提案した
・文学と食の融合というコンセプトに基づき、本屋さんをリニューアルする
・斬新なコンセプトで開発された新商品
・新店舗のコンセプトを考える

コンセプト〇〇についても学ぼう!

コンセプトは、「コンセプト+名詞」の形で使われることがよくあります。どんな言葉が、どのような意味で使用されているのか、簡単に頭に入れておきましょう。

コンセプトカフェ

コンセプトカフェは、何らかのコンセプトのもとに作られたカフェのこと。

メイドカフェや猫カフェなど、さまざまなコンセプトカフェがあります。

コンセプトアート

コンセプトアートは、コンセプトのイメージをほかの人と共有するために描かれる絵のこと。

コンセプトアーティスト

コンセプトアーティストは、コンセプトアートを描くことを仕事にしている人のこと。

コンセプトメイキング

コンセプトメイキングはコンセプトを作ること。メイキングは作ることを意味する言葉で、コンセプトメイキングは文字通りの意味になります。

コンセプトの作り方を学びたい人におすすめの本

コンセプトの作り方は本で学ぶこともできます。おすすめの本を紹介するので、興味があったら読んでみてください。

「コンセプトのつくりかた」

「コンセプトのつくりかた」は、元任天堂Wiiの企画開発に携わった著者が、コンセプトの作り方をわかりやすく解説している本です。

企画立ち上げの話し合いを仕切る立場の人の視点で説明されています。コンセプトを作り出す、一連の流れをイメージすることができます。

「コンセプトメイキング 変化の時代の発想法」

「コンセプトメイキング 変化の時代の発想法」は、日本の大手広告代理店「博報堂」の元制作部長が、コンセプトのつくり方を教えてくれる本です。

有名企業の事例が86個も紹介されています。具体的な例を通して学べるから、初心者にもわかりやすくおすすめです。

コンセプトアートの描き方を学びたい人におすすめの本

「トミーのコンセプトアート教室 マンガと添削で楽しく学べる!」は、コンセプトアートの描き方をわかりやすく解説した本です。

筆者は、「ファイナルファンタジーXI」など世界的に有名な作品のコンセプトアートを手掛ける、有名なコンセプトアーティスト。漫画の解説もあり、初心者にもとっつきやすい内容です。

アプリのコンセプト

「コンセプト」は、便利なツールを使って、スケッチブックに手書きする感覚でコンセプトアートが描けるアプリです。

無料で使用できる機能がたくさんあり、とても便利。そのほかに必要な機能がある場合は、課金して追加することも可能です。

コンセプトの類語

コンセプトには、次のような類語があります。

コンセプトの類語
アイデア:日本語だと、思いつき、新奇な工夫、着想という意味で使われることが多い言葉。コンセプトは全体として筋が通った考え方である必要があるけれど、アイデアは部分的だったり完成されていなかったりもする

イメージ:人が心に思い浮かべる姿や情景。外の人間がある物事について感じる曖昧な印象のこと。コンセプトのように筋道を通して考えられているわけではなく、同じものをみていても、そのもののコンセプトとイメージが一致するとは限らない

ポリシー:何かをするときの方針、指針。それを決めた人の強い意志を示すもので、コンセプトよりも主観的

プロット:あらすじや構想、筋立て。コンセプトがあって、それに従ってプロットが作られる

テーマ:主題、中心となる内容。芸術作品や、話し合いの主題のことを指して使う場合が多い言葉。コンセプトは、そのものの全体が企画者が決めた方向性に一致していなければならないが、テーマは主題が共通していればすべて一致している必要はない

これらのカタカナ語は、コンセプトと意味が似ています。しかし、意味に違いもあるため、言い換えには使えません

コンセプトを意識した企画を立ててみよう

「全体を通して一貫した、基本的な構想のこと」を意味するコンセプトは、企画を支える大黒柱のようなものです。

コンセプトがぶれると、企画が狙いから外れてしまい、行き当たりばったりな感じがするものになってしまいます。コンセプトを意識して、それにそったぶれない企画を立ててみましょう。