「案件」とは「問題となっている事柄」「審議しなければならない事柄」のこと
「案件」とは、「問題となっている事柄」「審議しなければならない事柄」などの意味があります。しかし、分野によって意味合いが異なるため、それぞれの意味を正しく把握していなければ会話の内容が食い違う可能性があります。
本記事では、分野ごとの「案件」の意味や、使い方、類語、言い換え表現、英語も含め、わかりやすく解説します。
「案件」の意味
「案」には、「考え、下ごしらえ、計画」などの意味が、「件」には「事柄、ある特定の事柄」などの意味があります。
そして、「案件」という熟語になった場合、「問題となっている事柄」「審議しなければならない事柄」の意味になりますが、法律関連分野では「訴訟事件」の意味で使われています。
・問題となっている事柄(現在)
・審議しなければならない事柄(未来)
・訴訟となっている事件(法律・警察分野)
ネット用語としての「案件」の意味
SNSが普及している現代では、若者の「案件」の使い方は少し違い、「情報」の意味が含まれた事柄を指しても使います。たとえばこんな感じです。
【インスタ案件】
インスタに投稿したくなる物や風景など
【ほのぼの案件】
ほのぼのとした状況や事柄
【激アツ案件】
興奮・熱狂できる事柄
これらのほかにも、「やってしまった!」「しまった!」というようなプチ事件や事柄を、案件をつけて表現するのも特徴のひとつになっています。
youtuberにとっての案件とは?
芸能人チャンネルも増えているYouTubeですが、youtuberにとっての案件もまた別の意味が込められています。
たとえば、トップyoutuberのチャンネルでとくによく見られる「企業案件」。これは、youtuberが企業に「うちのこの商品(サービス)を動画で宣伝してください。」と依頼されたものを指します。そして、案件動画とは、宣伝を目的として撮影・投稿された動画を指します。
「案件」の使い方・例文
ネット分野も含め「案件」はさまざまな形で使われています。ここでは、主にビジネスシーンでの使い方を例文で紹介します。
・この案件が終わるまで、新商品の開発会議は延期だな。
・案件処理に時間がかかりすぎているため、今月の残業時間はオーバーしてしまうだろう。
・A社からの案件には課題が多すぎてなかなか実行することができない。
・今のスケジュールだと、B社とC社、どちらか片方の案件しか受けられない見込みだ。
「案件」と「事案」の違い
「事案」とは、「問題になっている事柄」「問題にしなければならない事柄」を指し、主に法律分野や政治分野で使われる言葉です。
意味としては「案件」と同じですが、対応の要否に違いがあります。
【案件】
問題には必ず対応しなければならない。
【事案】
問題ではあるが、対応するかしないかは決定事項ではない。
「案件」の類語・言い換え表現
「案件」の類語や言い換え表現としては、日本語では「課題」「問題」「宿題」、カタカナ用語としては「タスク」や「ケース」があげられます。
【議題】
会議にかけて討議する問題。
【問題】
・試験での問い。
・論争や研究などの対象となる事柄。
・解決しなければならない事柄。
・困った事柄。
・世の中の人々が関心をもっているもの。
【宿題】
・家でやる学習上の課題。
・ビジネスなどで、その日のうちに解決せず、持ち越しになった課題。
【タスク】
・やらなければならない仕事や作業。
・コンピューターが処理する最小単位。
【ケース】
・容器。
・個々の事例。
・場合。
「案件」の英語表現
「案件」を英語で表現したい場合、「an item」「matter」「case」を使うのがもっとも簡単でしょう。
【案件を獲得する】
I get an item.
【案件を進める】
I’ll advance matter.
【案件を見送る】
I’ll let the case pass.
「案件」の意味を理解し状況に応じて正しく使おう!
ネット社会の現代において、若者ならYouTubeの「企業案件」や「やらかしてしまったこと」「みんなに知らせたい情報」の意味あいがすぐに頭に浮かぶかもしれません。
しかし、ビジネスシーンでは「問題となっている事柄」「審議しなければならない事柄」で、法律分野での意味も異なります。
これを機に「案件」の正しい意味を理解し、状況に応じて正しく使えるようになってください。