オンラインインターンの意味とは?内容やマナー、注意点なども解説

オンラインインターンとはどんな言葉?

オンラインインターンとは、「Web会議ツールなどを使って、オンライン上で行うインターン」のことです。

類語は、「クラウドインターン」。

英語で表すときは、「online internship」を使います。

オンラインインターンとはどんな意味?

オンラインインターンは、次の意味をもつカタカナ語です。

オンラインインターン
Web会議ツールなどを使って、オンライン上で行うインターン

Web会議ツールやチャットツールなどのITツールを使って、学生を出社させずにインターンを実施することをオンラインインターンといいます。

オンラインインターンは、オンラインインターンシップの略語です。

インターンとインターンシップ

専門職になることを希望する人に、その職に就く前に課せられる研修期間や研修システムをインターンシップといい、その研修に参加する研修生のことをインターンと呼びます。日本では、医師、美容師、理容師でインターンシップが行われていましたが、現在は廃止されています。

また一般企業や官公庁が、在学中の学生に一定期間の職業訓練をさせる制度も、インターンシップと呼ばれています。インターンシップを実施する企業が増えているため、ビジネス関係でインターンシップといわれたら、大抵の場合はこちらの意味であると考えて差し支えありません。

インターンは「研修生」を意味する言葉で、インターンシップは「研修生として働く一定の期間や制度」を意味する言葉です。本来は別の言葉ですが、インターンはインターンシップの略語としても使われています。

インターンシップについては、下記の記事でもくわしく解説しているので目を通してみてください。
インターンシップとは?目的、募集状況、内容、メリット、デメリットも紹介

オンラインインターンの種類

企業が行うオンラインインターンには、「選考なし」のものと「選考あり」のものがあります。

「選考なし」のオンラインインターンには、参加希望者は全員参加できます。学生に業界や自社のことを知ってもらうために行う、企業説明会はこの形式で行われる場合が多いです。

「選考あり」のものは、エントリーシートや動画選考、Webテスト、面接、グループディスカッションなどの選考が行われ、企業に選ばれた学生しか参加できません。事前準備が必要ですが、これを本選考の前の予行練習のように活用することもできます。

オンラインインターンは、実施される日数によって「1dayインターン」「短期・中期インターン」「長期インターン」のように分類されるケースが多いです。

1dayインターンとは?

1dayインターンは、1日かけて参加するオンラインインターンです。1dayインターンは企業によって行われる内容が異なります。

・企業説明会
・オンラインでの社内見学会
・グループワーク
・社員との交流
・簡単な仕事を実際に体験 など

1dayインターンは、業界や企業の理解を深めたい人や、企業の実際の雰囲気を知りたい人、就職したい業界がまだ定まっていない人、グループディスカッションの練習がしたい人などにおすすめです。

1dayインターン参加者限定のシークレットインターンや、早期選考の案内がもらえる場合もあります。

短期・中期インターンとは?

短期・中期インターンは、2日~数週間程度の日程で開催されるオンラインインターンのことです。多くの場合1dayインターンよりも参加人数が限られており、参加するためには複数の選考をクリアする必要があります。

1dayインターンよりも中身の濃いグループワークや、社員との交流、仕事体験などに参加できます。

短期・中期インターンを開催する企業は、優秀な学生の囲い込みを目的にしていることが多いです。インターンで成績がよかった学生に、本選考の一部免除などの優遇が与えられたり、早期選考の案内が出されたりもします。

長期インターンとは?

長期インターンは、1ヶ月から数年の間、企業に実際に就業しテレワークでできる業務を担当するオンラインインターン。大学1、2年生が参加できる場合も多いです。

1dayインターンや短期・中期インターンでの仕事体験は課題でしかないですが、長期インターンでの業務はその企業で実際に行われている本当の仕事です。長期インターンに参加すると、その職種で必要なスキルや社会人としての働き方を実践で身に着けることができます。その企業の雰囲気もよりしっかりと感じ取れます。

きつい選考をクリアしなければ参加できないケースも少なくないですが、給料や交通費が出ることも多く、お金をもらって就活に有利になる貴重な経験をさせてもらえます。

長期インターンは早期内定につながるケースもあり、そうでない場合もエントリーシートのガクチカに書いて企業にアピール可能です。

ガクチカについては、こちらの記事で解説しています。
ガクチカとはどんな意味?題材の例や書き方・作り方も解説

オンラインインターンが増えた背景

新型コロナウイルス感染症の影響で、学生を会場に集めて行う従来のインターンを開催するのが困難になったことで、多くの企業がオンラインインターンを実施するようになりました。

オンラインインターンを始めてみたら、交通費や宿泊費の負担や時間の制約なしに全国や海外からも学生が参加できるようになりました。従来のやり方より企業と学生が出合いやすくなったことも、オンラインインターンが増えた理由と考えられています。

オンラインインターンのマナー・注意点

オンラインインターンのマナーや注意点は、従来のインターンと共通する部分もありますが、オンラインならではのものもあります。気をつけることをおさえておきましょう。

服装はスーツかビジネスカジュアル

服装自由のオンラインインターンの場合は、スーツを着用するのが無難です。うっかり画面に映りこんでしまわないように、ボトムスもスーツを着ておきましょう

私服指定の場合は、ベーシックカラーのビジネスカジュアル着用が基本です。

髪型は髪が顔にかからない清潔感のあるものにし、表情がしっかりと見えるように前髪にも気を配ってください。

背景はシンプルに

背景は、余計なものが映らないようにするのがマナーです。壁やカーテンを背景にし、移動できない家具などは大きな布で覆い隠します。

白を背景にすると、清潔な印象をアップできます。

背景を変更できるWeb会議ツールもありますが、画質が荒くなってしまうので使うのは避けるほうが無難です。

機器や環境の確認をしておく

問題なくオンラインインターンに参加できるように、事前に使用する機器や環境の確認をしておきましょう。

Wi-Fi環境は整っているか、パソコンの音はしっかり聞き取れるか、マイクは音割れしていないか、カメラの調子はどうか、電源周りに問題はないかをまず確認します。

マイク付きの有線イヤホンを使うのがおすすめです。声の聞き取りやすさや自分の声の届きやすさがアップします。有線ならば充電切れなどのトラブルも避けられます。

オンラインインターンで用いる、Web会議ツールなどの使い方も調べておきましょう。

当日トラブルが起きたときの連絡先を調べておく

オンラインインターン当日に機材トラブルで通信できなくなってしまったり、体調を崩して参加できなくなったりすることも考えられます。

トラブルの発生に備えて、事前に企業の連絡先を調べておきましょう。通信できなくなったときのことも考えて、メールやチャットのほか、電話番号も調べておくと安心です。

当日トラブルが起きてしまったら、企業から指定された連絡方法がある場合は、その方法で連絡します。その後、不手際を詫び今後このようなことがないよう対策をとるため、引き続き選考に参加させていただきたいという熱意を伝える謝罪メールを送ってください。

無断欠席は、企業の心証が最悪になるため避けましょう。

指示がない限りはミュート

オンラインインターンでは、企業から指示されない限りミュートにしておくのがマナーです。

ミュートにしておかないと、余計な音が入ってしまいほかの参加者の迷惑になります。

話すときはゆっくりはっきりと

オンラインでの会話は、直接の会話よりも声が聞き取りにくいため、話すときはゆっくりはっきりとを心がけてください。また、タイムラグが生じる場合もあります。相手の発言にかぶせて発言してしまわないように、相手の発言が終わったと思ったところからワンテンポおいて話すようにしましょう。

画面を見ていると相手からはうつむいているように見えてしまうので、人の話を聞くときや、自分が話すときは画面ではなくカメラを見てください。

ジェスチャーや相槌を積極的に使うと、コミュニケーションしやすくなります。

オンラインインターンの後はお礼メールを送る

オンラインインターンの後は、通常のインターンと同じようにお礼メールを送りましょう。

当日中か遅くても翌日には送るようにすると、相手の心証がよくなります。

オンラインインターンの途中退出はよく考えてから

オンラインインターンに参加してみたものの、その業界や企業に興味を持てないと判断した場合は、途中退出をすることもできます。

しかし途中退出すると、その企業で採用されることはなくなります。グループ企業すべてで採用されなくなるケースもよくあるため、後から後悔しないかしっかり考えて決断してください。

体調不良のため途中退出しなければならなくなった場合は、企業の担当者に「申し訳ありません。体調が優れないため退出させていただいてもよろしいでしょうか」のように連絡を入れ、後日謝罪メールを送りましょう。しっかり謝罪メールを送っておけば、選考に進めなくなることはあまりありません。

オンラインインターンの企業側の注意点

企業側にもオンラインインターンならではの注意点があります。気をつけることを頭に入れておきましょう。

学生のニーズを踏まえる

オンラインインターンに参加する学生は、業界や職種についての理解を深めるため参加している人が多く、まだ自社への就職を希望する段階にはありません。

そのため、自社のアピールばかりしていると学生の関心をつかめません。自社のオンラインインターンに参加するとどのように学生の就職活動に役立つのか、メリットを提示することで積極的に参加してもらいやすくなります。

学生にも参加させる

オンラインで話を聞いているだけでは学生は飽きてしまいます。長時間話を聞きっぱなしになることがないように、学生が参加できる内容を考えましょう。

学生同士で協力して取り組む課題を与えるのもおすすめです。

学生一人ひとりと話す時間を積極的に作る

課題の進捗状況を確認する声掛けの時間を細かく設けて、学生とマンツーマンで話すなど、学生一人ひとりと積極的にコミュニケーションをとることも重要です。

一対一でのコミュニケーションが増えるほど、学生、企業双方が相手のことを理解しやすくなります。

例えば、学生が興味を持っている部署がわかったならば、その部署で働く社員のインタビュー動画を紹介するなどの個別の対応も可能になります。そうすることで、より自社に興味を持ってもらえます。

会社の魅力や雰囲気が伝わる方法を考える

オンラインインターンは、従来のインターンよりも会社の魅力や雰囲気が伝わりにくいです。そのため、学生が会社の実態をイメージできる内容を工夫する必要があります。

普段の社内の仕事風景を動画で見せたり、社員に業務について本音で語ってもらう時間を設けたりするとイメージしやすくなります。

テレワークをどのように進めているのかなど、オンラインならではの事柄をアピールするのもおすすめです。

ハイブリット方式という選択肢もある

すべてオンラインで行うインターンが難しい場合は、オンラインインターンと従来のインターンを組み合わせたハイブリット方式も可能です。

自社に合う方法を考えてください。

オンラインインターンの使い方を例文で学ぼう

オンラインインターンの意味や注意点がわかったら、次はカタカナ語としての使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文
オンラインインターンの募集情報を一覧にして紹介する。
・長期オンラインインターンの求人を探す。
オンラインインターンに参加した学生にシークレットインターンの案内を出す。

オンラインインターンの類語・言い換え表現

オンラインインターンの類語は、「クラウドインターン」です。

クラウドとは、ソフトウェアをインストールすることなくインターネットなどのネットワークを通してサービスを利用できるようにした、コンピュータサービスの利用形態のこと。

このクラウドを使ったインターンが、「クラウドインターン」です。

例文
クラウドインターンの募集を開始する。

オンラインインターンは英語だと?

オンラインインターンは英語だと、「online internship」と表記されます。

「online」は「ネットワーク上の」、「internship」は「研修期間、実習生の地位」という意味です。

英語では「intern(研修生)」と「internship(研修期間)」は別の単語として扱われます。「internship」の略語として「intern」が使われることはないので注意してください。

オンラインインターンをうまく活用しよう

オンラインインターンの意味は、「Web会議ツールなどを使って、オンライン上で行うインターン」です。

遠方の学生も簡単に参加できるため、企業と学生の出会いのチャンスが多くなります。その反面コミュニケーションがとりにくくなったり、会社の魅力や雰囲気が伝わりにくくなったりするデメリットもあります。

欠点をうまく補い、オンラインインターンを活用しましょう。